骨粗しょう症
骨粗しょう症とは
骨粗鬆症とは、骨の量(骨密度)が減ったり、骨の質が低下することで骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。 日本には約1000万人以上の患者さんが存在するといわれており、高齢化に伴ってその数は増加しております。
骨粗しょう症と健康寿命の関係
日本は世界でもトップクラスの長寿国です。
現在では単に長寿を目指すだけでなく、健康で自立した生活を送れる期間をあらわす「健康寿命」を伸ばすことへの関心が高まっています。日本人の平均寿命と健康寿命の差を比べてみますと、男性では約9年、女性は約12年もの差があります。健康でイキイキとした人生を送りたいと誰しも願うものですが、実際には多くの人が長い間「健康ではない」状態で過ごしているのです。
骨は私たちの体や日常の活動を支える大切な器官です。骨粗しょう症を予防し、骨を健康に保つことは、健康寿命を延ばすことにもつながるのです。
症状
骨粗鬆症は、痛みがないのが普通です。しかし、転倒や尻もちなどちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨粗しょう症により骨折しやすい部位は、背骨(脊椎椎体)、脚の付け根(大腿骨近位部)、手首(橈骨:とうこつ)、腕の付け根(上腕骨)です。
骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。
ご自身で「背中が丸くなった」、「背が縮んだ」と感じたらご相談ください。
治療
骨粗しょう症治療の目的は、骨密度の低下を抑え、骨折を防ぐことにあります。
大きく治療は食事、運動、薬の3つの治療になります。
食事では、はカルシウム摂取やカルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨を作るのに重要なビタミンKを多く摂ることも大切です。具体的には、牛乳、魚、納豆、海藻などです。
反対に控えた方が良いものは、食塩、カフェイン、アルコールなどがあげられます。
運動では、体重の負荷がかかる運動(ウォーキング、階段を昇る、ウェイトトレーニングなど)を行います。
薬物治療では、カルシウムの吸収を助けるビタミンD製剤や骨が壊れるのを防ぐ薬(骨吸収抑制剤)が広く使用されています。最近は、骨を作る薬(骨形成促進剤)も出てきており、治療薬の選択肢も増えてきています。
このように、薬物治療とともに食事療法や運動療法も並行して行い、骨強度を高めていくことが重要です。